「CA = 憧れの職業」の時代は終わったのか? コロナが暴いたインフラ職種の脆弱性、就職ランキング50位にすら入れない現実とは

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CAのブランドが急降下している。コロナ禍を乗り切った後、良質な人材を確保するためには企業は何をすべきか。元CAの筆者が実体験を交えて語る。

CA人気はもはや過去の話なのか

客室乗務員のイメージ(画像:写真AC)
客室乗務員のイメージ(画像:写真AC)

 日本航空(JAL)が3年ぶりにCA職の採用を再開する。しかし、「将来の夢は客室乗務員(CA)」という学生は、現在どれほどいるのだろうか。全盛時代は過ぎても、航空業界は人気就職ランキング上位に長らく君臨してきた。ところが、文化放送キャリアパートナーズ(東京都港区)の就職情報研究所が9月に発表した「2023年入社希望者 就職ブランドランキング」によると、全日本空輸(ANA)が「86位」、JALが「92位」と、ともにトップ50位にすら入らなかった。

「インフラ業界 = 安定している」という神話は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の発生であえなく崩れ去り、不動だったその地位は少しずつ揺らいでいる。

大幅に減った乗務手当

羽田空港(画像:写真AC)
羽田空港(画像:写真AC)

 CAの配置転換に関するニュースは、いまだ記憶に新しい。コロナ禍での旅客フライト数の減少を理由に、コールセンター勤務や営業職など、他業界や他職種の勤務につくCAも多かった。CAだけでなく、7月にはJALが従業員3000人を格安航空会社(LCC)・非航空へ配置転換すると発表している。

 フライトの大幅減で乗務手当(フライト時間に対して支払われる手当)は大幅に減り、基本給から家賃や生活費を引くとほとんど手元に残らないといった給与面の不安定さも露呈した。

 もちろん、飛べば飛ぶほど給与が上がるのはモチベーションアップにつながるが、コロナ禍でその脆さを痛感した従業員も少なくないだろう。ましてや、同様の事態が今後も起きないとは言い切れない。

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