平均年収342万円 「空港グランドスタッフ」の待遇はなぜ悪いのか? CAより“4割安い”現実、人手不足の今こそ改善のチャンスだ
空港での接客業務を担当するグランドスタッフ。その平均年収は、CAと比較して実に200万円超も安い。いったいなぜか。
人手不足は待遇改善の大チャンス

それがここへ来て、航空業界の人員ニーズが大復活してきている。
日本政府観光局発表の2023年3月の訪日外国人の人数は181万人と、前年同月の
「30倍」
近くに急増し、コロナ前の7割弱までインバウンド(訪日外国人)も回復している。その結果、グランドスタッフの不足が顕在化しており、現場は疲労困憊(こんぱい)との声も聞く。
しかし上述のとおり、人が採用できなければ、基本的に賃金は上がる。近年、人手不足なのに賃金が上がらないこともあったが、それは、働き方改革によって非正規雇用や外国人労働者などの受け入れ促進をしたことなどの特殊な要因によるものだ。ふつうは、人手不足時代は、賃上げ時代なのだ。
市場という「神の見えざる手」(アダム・スミス)がちゃんと働くのであれば、グランドスタッフの賃金水準は改善されるであろう。ただ、一抹の不安は、安い労働力の受け入れなど、せっかくの好機に水をさす
「政府の邪魔」
が入らないかどうか、である。