意外と知らない? インターチェンジの近くに「ラブホテル」がやたらと多い理由

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ラブホテルはなぜ高速道路のIC近くに多く建っているのだろうか。国内のホテル開発の視点を踏まえて論じる。

近年は減少の一途

インターチェンジ(画像:写真AC)
インターチェンジ(画像:写真AC)

 近年、インバウンド(訪日外国人)の急増や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催もあって、宿泊施設の慢性的な不足が叫ばれ、空前のホテル開発ブームが起きている。

 海外ホテルチェーンのさまざまなブランドカテゴリーが上陸し、ホテル業態も従来のシティホテルやビジネスホテルだけではなく、スモールラグジュアリーからライフスタイルホテルまで一気に多様化している。

 高額な業態だけでなく、比較的安価で宿泊できるゲストハウスも増加。また、カプセルホテルや温泉旅館といった従来の日本型宿泊業態も改めて注目され、インバウンド向けにスタイリッシュに生まれ変わったものが開発されている。

 このように、ホテル開発は幅広く活気がある状況といえる。残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大によって、この3年間の宿泊需要は大きく落ち込んだものの、依然投資マネーは国内のホテル開発に流れ込んでおり、開発計画は後を絶たない。

 ラブホテルは風俗営業法の対象であり、管轄する警察庁の調べでは2022年時点で国内に

「約4885軒」

の届け出がある。届け出のないホテルもあり、線引きが難しい場合もあるので、実際にはそれ以上の数があるといわれている。

 10年前の2012年は6000軒以上あったが、近年は減少の一途となっていることがわかる。2020年からはコロナ禍の影響もあって閉店するホテルが増加しており、減少幅が大きくなっている。ラブホテルは国内のホテル開発ブームとは異なる流れにあるといえるだろう。

 宿泊をともなわない休憩利用や、低料金で宿泊できるといったラブホテルの特性も今はカバーする業態が生まれている。さらに、オンラインショッピングの拡大にともない、物流が活発化していくなかで、IC付近の物流拠点開発が活発化してきており、今後、IC付近の土地活用も変化していくことが考えられる。

 将来的には、IC付近にラブホテルが集積する光景も見られなくなる可能性もある。

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