自動車産業をメタバースがけん引? 開発とデザインが革新されるワケ
自動車に大きな変化をもたらすといわれているAR、VR、メタバース。今回はそれらが自動車にもたらす変化や、すでに実用化されている例などを紹介する。
急速に変化を遂げるデジタル技術

モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などを含むデジタル技術の進歩はめざましく、私たちの身の回りにあるさまざまなものが、急速に変化を遂げている。
もちろん自動車も例外ではない。10年前には比較的珍しかったセーフティサポートも、近年では高級車種でもない車にも当たり前のように搭載されている。今は一部の高級車種にしか搭載されていない機能も、やがて一般的な車にも搭載され、私たちの生活に浸透していくのだろう。
IoTやAI以外にも、自動車に大きな変化をもたらすといわれている技術に拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、そしてメタバースがある。ここではそれらが自動車にもたらす変化や、すでに実用化されている例などを紹介していく。
まず、ARやVR、メタバースについて、かんたんに振り返っておこう。
ARとは現実世界に対し、仮想の視覚情報を加えるものだ。ベースが現実にあるのがポイントである。例えばスマートフォンのGoogle検索では、いくつかの動物をARオブジェクトとして表示できる。今目の前にある現実の世界に、検索した動物がいたらどのように見えるのかを、スマートフォンのカメラを通して見ることができるのだ。
続いてVRとは、仮想の空間をリアルに体感するためのものだ。ARとは異なり、ベースが仮想空間になる。コントローラーで身体の動きを検知して遊ぶゲームなどがVRに分類される。
最後にメタバースだが、メタバースもまた仮想空間をベースにしたものだ。VRにも似ているが、アバターを用いたコミュニケーションや、ビジネス機能を持つことなど、VRよりも多くの機能が要求されている。