自動車産業をメタバースがけん引? 開発とデザインが革新されるワケ
自動車に大きな変化をもたらすといわれているAR、VR、メタバース。今回はそれらが自動車にもたらす変化や、すでに実用化されている例などを紹介する。
自動車に組み込まれるAR

これらのなかでもARは、すでに比較的多くの自動車に導入されている技術である。
一部の高級自動車ではヘッドアップディスプレー上に、衝突の危険のある歩行者の表示が可能だ。またナビゲーションシステムにおいて、あらかじめ用意されたCG画像ではなく、車載カメラで実際に撮影された映像に対し、進行方向を矢印で表示するものもある。
このように紹介すると、自動車におけるARはまだまだ一部の自動車にしか搭載されていないように感じるが、実はそうではない。
例えばバックモニターに表示される、自動車との距離を示す赤や黄色のライン、ハンドルの回し具合に合わせて表示される進行方向予測の線。これらもいわばARの一部である。さらに、自動車周囲の死角を自動車上部から見ているかのように表示するバードビューもARといっていいだろう。
自動車の運転は現実世界で行われるものであり、そこに視覚的な情報を追加できるARは非常に相性のいいテクノロジーであるといえる。したがってARは、今後もさまざまな形で自動車に組み込まれ、運転手へのサポートとして活用されていくだろう。