自動車産業をメタバースがけん引? 開発とデザインが革新されるワケ
自動車に大きな変化をもたらすといわれているAR、VR、メタバース。今回はそれらが自動車にもたらす変化や、すでに実用化されている例などを紹介する。
製造、開発現場にも影響

ここまでは自動車のユーザーに対してARやVR、メタバースが及ぼす変化について述べてきたが、製造や開発、メンテナンスの現場における変化も紹介しておきたい。
例えばトヨタ自動車では、販売店で整備作業を行う作業員に向け、すでにARグラスを導入している。ARグラスを使用すれば、車両情報や作業項目が現実空間に重ねて表示され、書類やパソコン画面を振り返りながら作業する必要がなくなる。またVRは、製造やメンテナンスに携わる作業員に対する安全教育にも使われており、今後もさらに活用は増えていくだろう。
開発現場を今後大きく変える可能性を秘めているのがメタバースである。オンラインでのデザイン会議などで、参加者全員が同時に仮想モデルに触れ、その場でモデルを操作しながら話し合いを行うような使い方が予想されている。
実際にすでに「Mesh for Microsoft Teams」のように、メタバース会議が可能なサービスも存在している。コロナ禍によってウェブ会議が当たり前になった今ならば、このようなサービスの浸透速度もさらに加速すると考えていいだろう。
以上をまとめると、ARは自動車の運転を、VRは自動車の購入を、メタバースは自動車の開発を変えていくと期待されている。新しい車に触れるとき、そこにどのような新しいテクノロジーがあるのか、楽しみにしたい。