新横浜線開業も さっそく懸念される日吉・綱島の「武蔵小杉化」、人口急増でまた“改札行列”にならないか
相模鉄道と東急電鉄が直通する「新横浜線」が3月18日、開業した。そんな同線だが、成否を握るのは新線を契機とした「再開発ラッシュ」である。
まだまだ少ない販売物件
驚くのは、ドレッセタワー新綱島に隣接する土地でもビル建設工事が行われていることだ。マンション建設が増えているこのエリアだが、現在の供給量は決して多くない。
不動産情報サイトを見れば一目瞭然だが、中古・新築とも販売されている物件はわずかだ。供給数が少ないために、ある程度まとまった土地があれば、すぐにマンションや建売住宅が建設される建設ラッシュが起こっている。そんな住宅を求めて、ファミリー層の流入が期待されている。
これらを如実に示すのは、新綱島駅から北東徒歩10分ほどの綱島街道沿いにある「綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)だ。2018年に旧松下通信工業の工場跡に建設された次世代都市型スマートシティである。
アップルの研究施設や水素ステーションなどが整備されているが、メインとなるのは商業施設「アピタテラス横浜綱島」である。食品スーパーを核にして各種専門店が入っているが、店舗のラインアップは西松屋、マツモトキヨシなど完全にファミリー向けになっている。
また、ここだけでなく綱島街道周辺では医療モールや、薬局、スーパーなどの出店も目立つ。流入するファミリー層を意識して、このエリアは「住みやすい街」としての魅力は日ごとに高めている。
今後もファミリー層を中心に人口増が予想される日吉綱島エリアだが、まだ解決しなければならない問題も多い。
例えば、綱島街道が幹線にもかかわらず上下一車線の狭小な道路のままなことだ。現状、拡幅に向けて用地の確保は行われているが、完成はまだ先になりそうな状況だ。綱島街道沿いには家電量販店などの生活に密着した店舗も出店しているが、このエリアに住みクルマを利用する生活を考える場合、渋滞を覚悟しなくてはならない。