新横浜線開業も さっそく懸念される日吉・綱島の「武蔵小杉化」、人口急増でまた“改札行列”にならないか
相模鉄道と東急電鉄が直通する「新横浜線」が3月18日、開業した。そんな同線だが、成否を握るのは新線を契機とした「再開発ラッシュ」である。
過去10年間の人口増加率は1割超
新駅決定後、東急東横線の東側にあたる日吉綱島東部地区では、綱島街道に沿ってマンションが急増することになった。
2019年に横浜市が策定した「日吉綱島東部地区まちづくりビジョン」によれば、過去10年間の人口増加率は横浜市域が4.2%、港北市域が9.2%だったのに対して、同地区では
「10.9%」
と高い数値になっている。この地域は元来、大小の工場が集積した内陸の工業地帯だった。ところが、近年は工場よりも郊外型の低層マンションや建売住宅が目立つようになっている。
そんなエリアのシンボル的な存在が、新綱島駅に隣接する複合ビル「ドレッセタワー新綱島」だ(2023年秋完成予定)。住宅棟と商業棟からなる再開発ビルとして計画され、このエリアには見られなかった高層の建物となっている。
住宅棟は地上29階で252戸が入居する。2021年から始まった販売では2LDK、53.08平方メートルの部屋が低層階で6300万円台と東京都心並みの価格となったが、既に完売しており、再開発への期待値の高さを示している。
綱島駅東口も再開発
続いて再開発計画が進んでいるのが、新綱島駅から綱島街道を挟んだ綱島駅東口のエリアだ。
現在は低層の商店が並んでいるが、こちらでも2028年の完成を目指して2棟からなる再開発ビルの計画が進んでいる。
開発面積はドレッセタワー新綱島よりも大きい。これが完成すれば、バスと歩行者が入り交じって狭小な道を移動している駅前の風景はガラリと変わる。
高層ビルの出現が具体化し、将来が期待される日吉綱島エリアだが、現段階ではまだ発展途上だ。
新綱島駅も開業はしたものの、ドレッセタワー新綱島が建設中の現在はまだ南北の出入口があるだけのシンプルな駅だ。シンプルすぎてホームに飲料の自販機すらない。