街全域「最高時速30km」が世界の新標準? 環境・安全を両立する交通政策をご存じか【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(10)

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交通事故による重傷化を未然に防ぐため、都市全域を最高速度30km/hとする政策が世界各地で採用され、高い効果が続々と報告されている。ロンドンの状況を中心に解説する。

歩行者関連事故が激減したロンドン

ロンドンで拡大する制限速度30km/h(20mph)規制。緑色の部分(画像:ロンドン交通局)
ロンドンで拡大する制限速度30km/h(20mph)規制。緑色の部分(画像:ロンドン交通局)

 ロンドンは、ロードプライシングの内側エリア全域を制限速度20mph(約32km/h)とした予防安全対策に取り組んでいる。東京に例えると、山手通り内や環七内側全域を制限速度30km/hとするような大規模な対策だ。

 制限速度変更後の影響が2023年2月に報告されて、死亡事故は約25%減(94件→71件)、移動弱者との事故が約36%減(453件→290件)、歩行者との事故が63%減(124件→46件)と大幅な削減効果が報告された(26カ月間の事故関連データより)。

 特に、歩行者の事故が大幅に減少したことは注目される点だろう。走行速度は、エリア全域で1.7~5 mph(3~8km/h)減少しており、一方で渋滞などの影響は出ていないそうだ。

 ロンドン警察では、速度規制導入と合わせて監視体制を強化している。路上の警察による取り締まり、固定監視カメラ、移動式監視カメラを増強し、2021年から22年で約48万件のスピード違反を取り締まり、取り締まり件数も前年よりも78%増だったそうだ。ちなみにロンドンのスピード違反は反則金が100ポンド、違反点が3点となっている。

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