新型プリウスはなぜ大ヒットしたのか? 衝撃的「デザイン変化」だけじゃない、3つの深意とは
新型プリウスは2023年1月の発売開始以来、好調なセールスを重ねている。価格帯は従来の200万円台前半からアップし、新型では200万円台後半からのスタートである。
新鮮な運転感覚
新型プリウスのデザインが一新されたのは、先代に対する豊田社長(当時)の「カッコ悪い」発言へのコンプレックスなのか、それともスペシャリティカーの復権を狙ったのか、真相はわからない。
ただいずれにせよ、BMW3シリーズを始めとするドイツのスポーツセダンがハイブリッドでは600万前後の高価格帯にシフトするなか、価格対パフォーマンス(仕上げの上質さ含め)という意味で、4ドアスポーツとしての新型プリウスは実に魅力的だ。
何より普段SUVや背の高い軽自動車に乗り慣れている人ほど、新型プリウスの運転感覚は新鮮に思える。「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」と呼ばれるプラットホームは「低重心」を実現するという。それは同乗者でもすぐにわかる走りの「いいモノ」感、安定感につながっている。
そして前述のように、いずれは走行用バッテリーの交換が必要になるハイブリッドのみの車種のため、KINTOのような長期所有を前提としない販売形式にマッチしているという印象を与えやすい。
一方、同じく長期使用における走行用バッテリー交換という宿命を抱えたEVは、都市部を除けばまだ充電スポット数に不安がある。かたや
「本格的なEV時代が来るまで、サブスク&ハイブリッドの新型プリウスにしておこう、プリウスならいつでも給油すればOK」
であるという安心感。それはユーザー目線なら誰もがたどり着きやすい、納得のストーリーだ。