新型プリウスはなぜ大ヒットしたのか? 衝撃的「デザイン変化」だけじゃない、3つの深意とは

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新型プリウスは2023年1月の発売開始以来、好調なセールスを重ねている。価格帯は従来の200万円台前半からアップし、新型では200万円台後半からのスタートである。

「スペシャリティカー」の色合い

新型「プリウス」(画像:トヨタ自動車)
新型「プリウス」(画像:トヨタ自動車)

 もちろん、低い車高とデザイン優先のためか、カタログでは410Lと初代並みになってしまったトランク容量など、エコカーとしてみれば疑問に思う仕様も少なくはない。前述のコンパクトなドイツ車以上の容量を確保したということになるが、ここは何か工夫が欲しかったところだ。

 最後のそして最大の理由、それはブランドポジショニングの妙だ。新型プリウスは、かつて代表的なカテゴリーであったにも関わらず、今は皆無となった

「スペシャリティカー」

というジャンルにぴったりの車であるように思われる。

 スペシャリティカーは

・セリカ
・シルビア
・プレリュード

など、2ドアボディに2L DOHCなどの小気味よいエンジンを積んで、本格的ではないが、ややスポーティーな運転を楽しむ車だった。オートエアコンや音の良いオーディオなど気の利いた快適装備も併せて、自動車評論家からは

「デートカー」

などとやゆされていた。しかし、当時の20代からは憧れを持たれ、日本だけでなく北米でも売れに売れた。

 その後、デートカーの役割はバブル期後半ぐらいから、BMW3シリーズなどのドイツのスポーツセダンに徐々に移っていき、本格的な国産スポーツカーは、GTR、フェアレディZ、トヨタ86やマツダロードスターとして生き残ることになる。

 結果として、スペシャリティカーの代表ともいえるトヨタ・セリカは2006(平成18)年に終売を迎える。

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