モータースポーツのプロ用カメラ、なぜ「キヤノン」の独壇場なのか? 各社比較を通して考える

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ミラーレスカメラの需要が好調だ。2月のカメラ映像機器工業会の発表によれば、2022年デジタルカメラの世界出荷額は前年比39%増の6812億円。2年連続で前年を上回った。

日本が圧倒的なシェアを持つカメラ

2022年のF1日本GP決勝レース。使用カメラはニコン「Z9」(画像:J.ハイド)
2022年のF1日本GP決勝レース。使用カメラはニコン「Z9」(画像:J.ハイド)

 ミラーレスカメラの需要が好調だ。2月のカメラ映像機器工業会の発表によれば、2022年デジタルカメラの世界出荷額は前年比39%増の6812億円。2年連続で前年を上回った。そのうちミラーレスカメラは61%増の5234億円であり、出荷台数ベースでは初めて市場の過半数に達したようだ。

 世界の業界別市場シェアのデータベース・デイールラボによると、スマートフォンによって下降したデジタルカメラの市場規模は、今後は徐々に上昇。2026年までに248億ドルと、日本円に換算して3兆円規模に拡大するという。

 何より、カメラは1980年代から現在に至るまで、一般用からプロユースという幅広いカテゴリーで、日本が圧倒的なシェアを誇っている数少ない分野である。そしてミラーレスカメラは、早くから

「マイクロフォーサーズ」

という小型センサーの機種で「4K動画」が撮影可能など、動画に強い面を見せていた。さらにこの数年は静止画のクオリティーが要求される、フルサイズのミラーレス一眼タイプに、しかもボディーだけで20万以上する高級機種に人気が集まっている。

 そのため、キヤノン、ニコン、ソニーともに2022年の業績は好調であり、いずれもカメラ部門(ソニーはイメージセンサー部門)がけん引したと、ニュースリリースで報告されている。

 2021年のメーカー別のシェアでは、前述のデイールラボによれば、デジタルカメラ・ビデオカメラ市場全体で1位のキヤノンは20.7%に過ぎず、2位のソニーが19.8%と肉薄している。ミラーレスカメラに限ればBCN(メディア企業)が販売シェアを報告している日本国内同様、1位はソニーであるのは間違いない。

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