マイカーの「完全自動運転」、やっぱり実現不可能? 大雨・降雪・障害物など課題山積、米スタートアップもお手上げか

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「CES2023」では、モビリティ分野、特に自動運転に注目が集まったが、その方向性には変化が見られた。自動運転の現状と合わせて解説する。

注目浴びたAFEELA

「ソニー・ホンダモビリティ」が出展した「AFEELA」の試作車(画像:会田肇)
「ソニー・ホンダモビリティ」が出展した「AFEELA」の試作車(画像:会田肇)

 世界最大のIT家電ショー「CES」は例年、年明け早々にアメリカで開かれる巨大イベントだが、2023年は「CES2023」として、1月5日から1月8日まで、米ラスベガスのラスベガスコンベンションセンター (LVCC)で開催された。世界各地から約3200社が出展し、11万人以上が参加。その中で最も目立ったのがモビリティ分野であり、その出展比率は過去最大となったという。その存在感は大きく、もはや「CESは北米で開催される最大のモーターショー」という声も聞かれるほどだ。

 そのモビリティで気になる出展といえばやはり「自動運転」に関するものだろう。これまでCESでは、自動車の電動化と共に、自動運転への関心が極めて高かった。過去にはトヨタ自動車などが世界の自動車メーカーに交じって、自動運転への対応を盛んにアピールしていたものだった。もちろん、基本的な流れはCES2023でも変わってはいない。しかし、出展状況をよく見ていくと、その方向性に少し変化があることを感じ取れたのも確かだ。

 まず出展された内容を見ていくと、自動運転を実現するクルマの知能化やセンサー類の展示が目立った。各ブースでは、自動運転に欠かせないLi-DAR(レーザー光照射で対象物までの距離や形などを計測する技術)や各種センサーの新世代品が数多く出展され、それらを処理するための高性能SoC(System on a chip)の開発も急ピッチで進められている。中でも注目を集めたのが米Qualcomm Technologies(以下:クアルコム)の動向である。

 同社はスマホ事業で培ってきた技術を車載に横展開することを目指しており、デジタルコックピットと先進運転支援システムを同時にサポートする、自動車業界初のスケーラブルSoC群「Snapdragon Ride Flex」を新たに発表するなど、モビリティ事業の強化を強くアピールしていた。その具体的な事例として、特に日本のメディアに注目されたのが、ソニー・ホンダモビリティが発表した新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」への搭載だ。

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