マイカーの「完全自動運転」、やっぱり実現不可能? 大雨・降雪・障害物など課題山積、米スタートアップもお手上げか

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「CES2023」では、モビリティ分野、特に自動運転に注目が集まったが、その方向性には変化が見られた。自動運転の現状と合わせて解説する。

CESでもシャトルバス出展多数

独ZFがCES2023に出展した自動運転レベル4対応の電動シャトルバス。米国内で数千台の運行を計画している(画像:会田肇)
独ZFがCES2023に出展した自動運転レベル4対応の電動シャトルバス。米国内で数千台の運行を計画している(画像:会田肇)

 CES2023ではそんな状況を予測してか、自動運転対応のシャトルバスの出展を数多く見ることができた。そのひとつが独ZFで、自動運転レベル4対応の電動シャトルバスを初公開し、しかも、モビリティプロバイダーである米Beep社と提携し、米国内で数千台にも及ぶ配備計画を明らかにしている。

 また、ホンダはCES2023には出展しなかったものの、ゼネラルモーターズ傘下のGMクルーズと共に自動運転移動サービスの計画を進めている。ここで使われる「クルーズ・オリジン」は栃木県内で公道実証を開始しており、運行を担当するホンダモビリティソリューションズにより、2020年代半ばには、東京都心部で自動運転のモビリティサービスをスタートする予定となっている。当然、ここではレベル4での運行を目指すはずだ。

 サプライヤーもこうした動きに対応を始めている。CES2023に出展したトヨタ紡織は、2030年の都市内走行を想定したレベル4の自動運転ライドシェアモビリティ「MX221」を発表。運転席を必要としない新時代の車室空間を柔軟に活用し、快適に過ごせる設備と技術を車内に盛り込んだ。

このように、自動運転はシャトルバスを中心とした公共交通機関での運用から、一歩ずつ実用化を進めていく。そんなところに現実解を見いだしているのが、自動運転の現在の立ち位置なのではないだろうか。

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