仙石線依存で失速した仙台市繁華街 昨秋スタートの「市内循環バス」は救世主となれるか? 栄える駅前とは真逆の現状を占う

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2022年秋、仙台市で市街地の回遊性を高めるための循環バス路線が新設された。市街地に新たな人の流れを創り出せるのか。

循環バス「チョコット」の登場

在りし日の「さくら野百貨店仙台店」。2014年撮影(画像:(C)Google)
在りし日の「さくら野百貨店仙台店」。2014年撮影(画像:(C)Google)

 2017年には「さくら野百貨店仙台店」が破綻したものの、これは匿名投資ファンドが突然オーナーになるなど、不透明な経営が行われた結果だった。

 むしろ、現在では跡地に計画されている2棟の高層ビルが、駅前の完全中心街化を果たす役割を期待されている。

 この圧倒的なひとり勝ちに対して、一番町のアーケード街などへの回遊性を求める声も出てきた。これに応える形で2022年10月に運行を始めたのが、循環バス「まちのり「チョコット」」である。

 宮城交通の運行するこの路線は、120円の均一料金で仙台駅西口から定禅寺通・晩翠通・青葉通などを回る。運行間隔は、日中におおむね20分間隔。これまで存在した「るーぷる仙台」が観光地をめぐるルートだったのに対して、チョコットは純然たる買い物路線を目指している。

しかし、これで市街地の回遊性が高まるかどうかは正直怪しい。過去、仙台市では1999(平成11)年、2000年にも「100円カーバスくん」の愛称で市街地を循環するバスの実証運行を行っている。しかし、採算ラインにも達しない大失敗に終わった。

 なぜなら、高齢者を除けば

「歩いたほうが早い」

という意見が圧倒的だったからだ。

一番町復興はあるか

2000年に開業したあおば通駅(画像:(C)Google)
2000年に開業したあおば通駅(画像:(C)Google)

 それから二十余年が過ぎ、高齢化社会が進行していることを鑑みれば需要も期待できそうだが、高齢者以外にはどうだろうか。

 最大の問題点は、回遊性を高めても一番町周辺に駅前に対抗できる集客施設が不足していることである。「藤崎」のような老舗デパートはあるものの、今の一番町アーケードは駅前に勝てる集客要素を持っていない。

 かつて駅前が低迷し一番町周辺が繁栄した背景のひとつとして、2000年に仙石線が地下化されあおば通駅が開業したことがある。当時は、利用者には魅力的な店も多い一番町へ便利に行けるルートができたと好評だった。

 しかしその利便性に依存したことで、一番町周辺の店舗は、時代の流れとともに魅力を失ってしまった。この状況を打破するためにも、回遊性と同時に一番町に出掛けたくなる魅力の創出が求められる。

 果たして、今の仙台市にそのような力が残っているのだろうか。

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