仙石線依存で失速した仙台市繁華街 昨秋スタートの「市内循環バス」は救世主となれるか? 栄える駅前とは真逆の現状を占う
2022年秋、仙台市で市街地の回遊性を高めるための循環バス路線が新設された。市街地に新たな人の流れを創り出せるのか。
2016年の東西自由通路供用が転換点に

古くからの仙台を知る人であれば、駅前がひとり勝ちして繁栄するのは、にわかには信じられないだろう。かつて、仙台市街地の繁栄の中心地は一番町エリアだった。対して、駅前は空洞化が進むエリアだった。
例えば、大手スーパーの西友は1991(平成3)年に駅前に「SEIYO仙台店」を開業したものの、1997年に閉店している。この店舗は、駅前にあった「エンドー仙台駅前店」の撤退後に、百貨店タイプの店舗を目指して開業したが、客足はまったく伸びなかった。
東日本大震災以前の駅前は、その後も伸び悩みが続いていた。2003年には1982(昭和57)年の開業以来、駅前の核店舗と見なされていた「ams西武仙台」が閉店。さらに2005年には「十字屋仙台店」も閉店している。
この間、駅前では駅ビル「エスパル」の商業施設の充実などの動きも見られたが、十分ではなかった。ところが、震災復興を契機に流れが変わった。ターニングポイントとなったのは、2016年3月にJR仙台駅へ新たな東西自由通路の供用が開始されたことだ。
それまでも、仙台駅は駅ナカビジネスを推進しており、
・牛たん通り(2003年)
・すし通り(2004年)
・エスパル(2008年)
と順次、商業施設の拡充を進めていた。そうしたなかで、この東西自由通路とともに開業したのが「エスパル仙台東館」だった。この施設には東北初出店となる店舗が多数出店したため、人の流れが変わった。
かつての仙台駅東口は
「ヨドバシカメラ以外はなにもない」
という印象だったが、それも既に過去の話である。東西自由通路の供用から半年後の2016年9月に「ロフト仙台店」がリニューアルオープンしたなどもあり、仙台駅を中心として東西に集客施設が密集する状況が生まれたのだった。