ホンダジェットが5年連続で「小型ジェット機」トップの納入台数を達成できたワケ

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ホンダジェットは6年連続となる小型ジェット機カテゴリートップのデリバリー数を達成できなかった。2月23日のAir Data Newsが報じた。

ベース機種の価格は490万ドル

 しかしそのレイアウトから、同クラス最高の巡航速度、燃費性能および航続距離を獲得していることがわかると評価は一変した。同時に静かでゆとりの客室も生まれた。

 さらにMH02からこだわり続けた「複合素材」による軽量で優美なデザイン、同クラスでは珍しい扉のある化粧室を備えるなど、高級プライベートジェットにふさわしい存在になったのである。

 価格もベース機種は490万ドル、当時最も売れていた競合のセスナサイテーションM2よりやや高い設定であったとされている。しかし、運用開始2年後の2017年にはそのサイテーションM2の39機を抜いて43機と、同クラスのデリバリー第1位となった。そしてその栄光が2023年の今日まで続くこととなる。

 大切なのは、ここまで至るまでに、ホンダジェットの初飛行から十数年、前身のMH02初飛行からは20年以上の月日が流れているということだ。この月日は、開発者の藤野道格氏の「会社人としての人生」そのものといっても良いだろう。

 一方、YS-11は初飛行からわずか3年で運用を開始したという。しかし、戦前からの東條輝雄の道のりを知ると、そこには3年以上の月日を感じられる。

 20代半ばから軍用機設計の前線で働き、さまざまな機体を世に送り出した。そして航空技術者となることを勧めてくれた父親が、戦後すぐにA級戦犯となり処刑された。その心境を考えたとき、日本初の実用旅客機YS -11の成功はまさに「起死回生」であり、40代後半となっていた東條輝雄の「人生そのもの」だったのではないだろうか。

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