「3歳児直撃」で死亡の悲劇も なぜ大型トラックの車輪脱落事故は防げないのか?

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大型トラックのタイヤが外れ、転がっていくニュースの映像を見たことはないだろうか。過去には死亡事故もあった車輪脱落事故について、原因と対策を考える。

ここ10年、増加傾向

大型トラックの車輪イメージ(画像:写真AC)
大型トラックの車輪イメージ(画像:写真AC)

 走行中の大型トラックのタイヤが外れ、転がっていくニュースの映像を見たことはないだろうか。2004(平成16)年にタイヤ直撃で3歳男児が犠牲になるなど、過去には死亡事故もあった車輪脱落事故は、ここ10年で減少するどころか、増加傾向にある。工業技術は進化し、品質改良が続いているはずなのに。

 タイヤが外れるというより、正確には「ホイールが外れる」事故について、国土交通省が公表しているデータ(バス含む、以下同)を見ると、2011(平成23)年度の事故が11件だったのに対し、2016年度は56件で、そこから急激に増えて2020(令和2)年度は131件と、事故件数は倍以上になっている。2021年度は123件で、前年度比では微減ながら、依然として高い水準にある。

 国交省も有識者を募り、検討会を実施して調査分析を行っている。そして、大型自動車・バスメーカー4社と連携し、大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンを2022年10月1日から2023年2月28日まで実施している。

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