運送会社は結局、荷主のコマなのか? 意見すれば「順番飛ばし」の嫌がらせ 政府ペナルティー方針発表も 2024年問題乗り切れるのか

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「荷主企業にも物流効率化を義務化すべき」、ようやく国はこれまでの認識を改め、物流企業だけでなく、物流効率化に取り組まない荷主にもペナルティーを科すべく、法整備を進めることを決めた。

荷主における物流効率化の責任をようやく認めた政府

運送のイメージ(画像:写真AC)
運送のイメージ(画像:写真AC)

「ようやく、国が本気で物流改善に取り組む気になったか!」──。政府は、物流の効率化に取り組まないメーカー、卸、小売などの荷主に対し、法改正を行い、ペナルティーを科す方針を発表した。

 発表の場となったのは、これまでも特筆すべき数々の提言を出してきた「持続可能な物流の実現に向けた検討会」(経済産業省、国土交通省、農林水産省)の第5回検討会(2023年1月17日開催)である。

「物流の2024年問題」などでも指摘されるように、このまま放置すれば、いずれ荷物を運びたくても運べない「物流難民」が生まれるのは必至だ。

 同検討会の中間とりまとめでは、物流難民を生み出さないよう、荷主企業にも物流効率化への取り組みを義務化し、取り組みが十分ではない荷主企業に対しては、是正勧告などの「類似の法令等を参考に、規制的措置等、より実効性のある措置も検討すべき」という方針を示したのだ。

「遅きに失した」という声もちまたからは聞こえてくるが、筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)は、迫る「物流の2024年問題」や、フィジカルインターネット(インターネットの仕組みをまねることで、荷主・物流企業の壁を超えた共同物流を実現すること)の社会実装に向け、ぎりぎり間に合うタイミングだったのではないかと期待している。

 今回、国が打ち出した方針が持つ意味と、その課題について解説する。

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