運送会社は結局、荷主のコマなのか? 意見すれば「順番飛ばし」の嫌がらせ 政府ペナルティー方針発表も 2024年問題乗り切れるのか

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「荷主企業にも物流効率化を義務化すべき」、ようやく国はこれまでの認識を改め、物流企業だけでなく、物流効率化に取り組まない荷主にもペナルティーを科すべく、法整備を進めることを決めた。

大半の運送会社は「コマ」

コンテナのイメージ(画像:写真AC)
コンテナのイメージ(画像:写真AC)

「物流プロセスには、物流事業者のほか、発荷主企業、着荷主企業、消費者など、さまざまなプレーヤーが関与している。発荷主企業と着荷主企業との間では、商品等の受発注に係る契約が交わされ、着荷主企業の指定する場所に貨物を届ける旨の契約が締結される。それを受けて物流事業者は、貨物を物流施設等に輸送する契約を荷主企業(主に発荷主企業)と結ぶこととなる。

 このように、貨物輸送の前提となる貨物の内容や納品時期等については、発荷主と着荷主との間で決定されるため、物流事業者が独自に貨物輸送の効率化を図ろうとしても実施困難な場合が多い」

 これは第5回検討会の事務局発表資料中の一文だが、まさしくこの通りである。輸送プロセスの立案・策定に主体的に関わることができる運送会社もゼロではないが、それは6万2000社強ある国内運送会社の中でも、割合にして0.1%、数にしてわずか79社(2021年3月末現在)しかない、ごく一部の大企業などに限られる。

 事実上、運送会社は、メーカー・卸・小売等の荷主と、配達先の間で、重宝に使われる「コマ」に過ぎないのだ。