運送会社は結局、荷主のコマなのか? 意見すれば「順番飛ばし」の嫌がらせ 政府ペナルティー方針発表も 2024年問題乗り切れるのか
「荷主企業にも物流効率化を義務化すべき」、ようやく国はこれまでの認識を改め、物流企業だけでなく、物流効率化に取り組まない荷主にもペナルティーを科すべく、法整備を進めることを決めた。
運送会社だけがペナルティーを受ける理不尽

例えば、「物流の2024年問題」では、2024年4月1日以降、ドライバーの年間時間外労働を960時間以内に収めなさい」という働き方改革関連法の規定が問題視されている。これを破った場合、ペナルティーを課されるのは、運送会社だけである。
「こんな長時間の荷待ちや荷役をやっていたら、時間外労働なんて、あっという間に960時間を超えてしまうよ」、そう思っても、荷主が対処してくれなければどうにもならない。
運送会社にコンプライアンス違反を強いる悪質な荷主に対し、運送会社が取れる選択肢は限られている。
・諦めて、コンプライアンス違反、あるいは経営への悪影響を承知で取引を継続する
・取引を解消する
「そんな荷主との仕事なんて断ってしまえ!」と言って、取引解消を選択できるのは、経営体力のある運送会社だけである。従業員20人以下の中小企業が全体の7割を超える運送業界において、健全な取引と経営を目指し、毅然(きぜん)たる態度を取ることができる運送会社は、ごく一部に限られる。
かくして運送会社は、労働基準監督署や運輸局などの監査などにおびえながら、これまでも荷主の言いなりにコンプライアンス違反を犯してきた。
今回、政府が荷主に対するペナルティー制度の法制化を打ち出したことは、もちろん物流効率化にも利するが、それ以上に、物流ビジネスを健全化する上で、大きな効果を発揮するものと期待したい。
だが一方で、荷主へのペナルティー制度は、新たな受難の始まりとなる可能性が高い。次回の記事で考えていこう。