「セグウェイ」はなぜ日本で流行らなかったのか? 斬新過ぎるコンセプトが生んだいくつもの壁とは
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- セグウェイ, 電動キックボード, パーソナルモビリティ
セグウェイは日本でさほど普及することもなく、2020年7月をもって生産を終了した。なぜ普及しなかったのか。
今後の立ち位置とは

2023年現在、セグウェイを始め電動モビリティが広く認知されるようになり、多くの国で走行が認可され始めている。セグウェイが登場した当時は、公道での走行を禁止していた日本においても、商業施設内などの私有地のほか、講習を受けたインストラクターによるガイドツアーのみ利用OKとしている。
さらに、セグウェイの代わりに台頭してきた電動キックボードにおいては、2022年4月の道路交通法が一部改正されたことにより、一部の道路において走行が可能に。加えて日本国内で原則免許不要へ法改正が行われるなど、快適に利用できる環境が整い始めた。
その一方、セグウェイと電動キックボードのどちらにも課題点がある。セグウェイの利用が日本国内で認められたとはいえ、いまだに一般公道での利用は禁止されている。さらに電動キックボードにおいても、利用者が増えたことにより、ドライバーの悪質なマナー違反や事故が多発し、安全面が懸念されている。経済産業省が調査した2021年12月時点で推計約2万台が流通しているが、爆発的人気とは言い難い現状である。
セグウェイは結局世間に広く普及せずに終わったが、革新的なデザインで、世の中にインパクトを与えたことは間違いない。現在は観光地ツアーを始め、ラウンドワンなどにおける娯楽施設のアトラクションとして利用されているため、今後の立ち位置は「非日常を楽しむためのツール」になるのではないだろうか。