「セグウェイ」はなぜ日本で流行らなかったのか? 斬新過ぎるコンセプトが生んだいくつもの壁とは
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- セグウェイ, 電動キックボード, パーソナルモビリティ
かつて一世を風靡
皆さんは、かつて一世を風靡(ふうび)した「セグウェイ」を覚えているだろうか。アメリカの発明家であるディーン・カーメン氏を中心に開発された立ち乗り型電動二輪車である。
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最高速度は約20km/hで、一度の充電で最長38km走行可能。そして何より立ち乗りする電動二輪車という斬新的なコンセプトは、今までにないもので、瞬く間に世間の注目を浴びた。
しかし日本や世界でさほど普及することもなく、2020年7月をもって生産を終了。これほど斬新なコンセプトだったものが、なぜ世の中に普及しなかったのか、今回考察してみよう。
価格と法律がネックに
まず、セグウェイの本体価格はあまりにも高過ぎた。新車販売価格帯は数十万円からで、機種によっては100万円以上もするものもあった。
さらに、本体サイズも大きかった。2006(平成18)年に発売された「セグウェイ・パーソナル・トランスポーター i2(セグウェイ PT i2)」モデルは、63cm(全長)×63cm(全幅)で重量が
「47.7kg」
もあったため、手軽に利用できるパッケージではなかった。
また、体重移動により前進・後退をする独特な操作は、普段から体幹を意識している人でない限り、1日では乗りこなせないといわれるほど難しかった。その操作性がたたってか、セグウェイ社のオーナーだったジミ・ヘゼルデン氏は、セグウェイの操作を誤って川へ転落して死亡。セグウェイの衰退を招く原因になった。
もうひとつの理由は、当時の法律に合っていなかったことだ。斬新的なパッケージゆえ、登場当時はアメリカの一部の州や他国で「公道走行禁止」になっていた。
日本でも同じく、一般公道は使用禁止に。理由は、急停止できる物理的ブレーキが搭載されてないなど、公道を走るうえで必要最低限の保安部品がなかったためだった。
そのため、販売先は倉庫や商業施設などで利用する法人がメインターゲットになり、使用できる箇所が広大な私有地のみとなってしまった。
その後、ハンドルバーがなくなるなど、さらに小型・軽量化した「ミニセグウェイ(バランススクーター)」も登場したが、先述した「セグウェイ PT i2」と同様、公共の場では使用禁止もしくは事前許可が必要であり、利用されている光景もあまり見なくなった。