日本製「新型車両」がヨーロッパで注目される3つの方法 「おもてなし」を捨て、スペインのビジネス客を狙え!

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日本の鉄道は、どこで何を売り、次世代に向けたビジネスとして、どう成り立たせていくのか。スペインでの事例から考える。

「日本の鉄道」どう売り込む?

ユーロスター(画像:写真AC)
ユーロスター(画像:写真AC)

 筆者(清水ひろゆき、ビジネスコンサルタント)が、ツアーコンダクターとして日本と海外を頻繁に往復していた1990年代、海外旅行はパッケージツアー全盛期で、中でもヨーロッパで鉄道に乗車する体験は、観光に不可欠な要素だった。

 特に日本人の海外ツアーは、当時世界最高速度の574km/hを誇ったフランスのTGVや、英仏間ドーバー海峡を海底トンネルで横断する最高速度300 km/hのユーロスター、また都市間連絡を主目的とする欧州連合(EU)の在来線優等列車インターシティを移動手段に選択。限られた時間で、数多いEUの観光地をできるだけ効率的に巡り、日本ではできない経験をお得感とともに訴求していた。

 飛行機の煩雑なセキュリティーチェックを避け、時間ロスを減らせるヨーロッパの鉄道は無駄のない移動ができる手段として魅力があり、さらに鉄道乗車体験そのものがヨーロッパ観光の醍醐味(だいごみ)だったからだ。

 ヨーロッパの鉄道は、このように観光的魅力があるわけだが、実際のところ鉄道を主に利用するのはビジネス客で、家から目的地間の所要時間を比較し、飛行機か鉄道、いずれを使うかを決める人が多い。

 つまりヨーロッパも日本同様、鉄道ビジネスは、収益構造でみると、ビジネス客に支持されるかが生命線となっているのだ。

 では今後、日本の鉄道は、新幹線で培った安全性を担保とした高速運行の実績を武器に、どこで何を売り、次世代に向けたビジネスとして成り立たせていくのだろうか。その答えは、最近、イタリア仕様の日立製新型車両がスペインに進出した事例から、導き出すことができる。