日本製「新型車両」がヨーロッパで注目される3つの方法 「おもてなし」を捨て、スペインのビジネス客を狙え!

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日本の鉄道は、どこで何を売り、次世代に向けたビジネスとして、どう成り立たせていくのか。スペインでの事例から考える。

日本の鉄道の常識を付加価値にするには?

日本の新幹線(画像:写真AC)
日本の新幹線(画像:写真AC)

 ただ、イリョのETR400型は動力分散方式の車両で、かつ事故が極めて少ない新幹線を有する日本製車両という点は、安全性における信頼度の高さの証しになるのは間違いない。さらに、近年の世界の動向も追い風になるかもしれない。

 スペインに限らず、ヨーロッパで鉄道に代わる移動手段は飛行機となる。しかし昨今の環境意識の高まりは、公共交通機関のひとつ、鉄道に対する注目度をアップさせており、次世代に評価される「鉄道」の持続可能なイメージ確立のチャンスとなる。

 その流れの中で、日本製新型車両がスペインで価値を生み出すためには、まずは格安ブランド「アヴロ」には付加価値を感じないビジネス客の乗車を促すべきである。その方法は3つだ。

(1)日本製車両の環境優位性をアピール
SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた努力をEU内に告知

(2)日本製車両による高速化アピール
アルミ素材使用による車両軽量化とともに、安全を保持する構造による高速化を発信

(3)日本製車両の安全性とバリアフリーを発信
最新の欧州規格に適合させた衝突安全性はもとより、腰掛けやテーブルなどの設備についても障害者の利用に配慮していることを発信

 これらの点や、日本の新幹線と同等の定時運行と安全性による品質価値を、SDGsの観点に沿ってPRすべきだ。それは、単にスペインのビジネス客に訴求するだけでなく、ヨーロッパを中心に、世界の多くの国で、日本製車両導入のきっかけになるかもしれない。

 鉄道が、持続可能な社会の構築や、脱炭素社会の実現に貢献するのは間違いない。そのためにも、鉄道の魅力、価値をグローバルな観点で世界に発信することで、鉄道ビジネスの隆盛を図らなければ、鉄道の存続は危ういと筆者は考える。

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