ダサい「ママチャリ + ヘルメット」4月努力義務化へ 定着させるには罰則に頼ってはいけない!

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2023年4月からすべての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課されることになった。定着への課題を考える。

「かぶりやすい環境」づくりを

自転車でヘルメット着用が努力義務に(画像:写真AC)
自転車でヘルメット着用が努力義務に(画像:写真AC)

 2005(平成17年)年から新車には、シートベルトをせずに走り出すと警報音が鳴る装置の設置が義務付けられた。これは行政と自動車メーカーによる、シートベルト締め忘れ削減を狙った努力である。ヘルメットを収納できるスクーターは、バイクメーカーの創意工夫である。

 自転車用のヘルメットでは、折りたたんでかばんに入るものも発売され始めているし、「ダサくない」ヘルメットを販売することも、ヘルメットメーカーがすでに始めている努力だろう。これに加えて自転車メーカーも、「メットイン」のような機能がついた自転車を造ることもできるだろうし、行政は、そういった自転車や後付けのヘルメットケースに補助金を出すこともできるはずだ。

 あるいは、駅やショッピングモールなどの駐輪場でヘルメットを預かるサービスを提供しても良いかもしれない。メディアはヘルメットをかぶったイケメン俳優やアイドルグループなどの姿を積極的に発信することで、「自転車にヘルメットはダサい」という社会のイメージを一掃できるかもしれない。

 要は、今の自転車の車体やサービスの体制など、社会を一切変えずに、自転車ユーザーの努力だけに頼ってヘルメット着用によるリスク軽減を目指すのではなく、自転車に乗らない人も含めた社会全体で、「ヘルメットをかぶりやすい環境」を整え、安全のために頑張ろうとする人を応援する世の中をつくっていくことが重要だろう。それは恐らく、罰則導入よりも有効な対策だろうし、そこには、さまざまなビジネスチャンスが眠っているかもしれない。

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