「窓が汚くて駅名が読めない」 日本では考えられない、そんな列車がある国とは?
海外の鉄道車両は日本ほどきれいに扱われているとは言えないものが多いが、例外もある。ヨーロッパの中で、鉄道車両がきれいな国とそうではない国とを紹介する。
イタリアの変化

車体の汚さという面で、常に語られることが多かったのがイタリアだが、近年、とりわけ高速列車の清掃がきちんと行われているという印象が強く、いつ乗車しても、「窓が汚れていて車窓が楽しめない」ということがないのは特筆に値する。
高速列車は、民間会社ntv社の「イタロ」がライバルとして立ちはだかっており、手を抜けないということも関係していると考えられる。その一方で、ローカル列車は相変わらずといった感じで、お世辞にもきれいとは言い難い車両が多いのは残念だ。
イギリスは都市間を結ぶインターシティ以外、あまりきれいな印象がなく、車内も椅子の座面が汚れていたり、座席表面の布が古くなってすり減っていたりという状態を多く見かける。座面については、日本人の感覚では信じ難いが、靴を脱がずにそのまま前の座席に足を掛ける人もおり、それが汚れたり、すり減ったりする原因のようだ。西洋人は、そもそも靴を脱がずに土足で家の中も生活する人が多いから、足を掛けるときに汚れや傷みを気にすることがないのかと思うだろうが、これを「西洋人」と、ひとくくりにするのは間違いで、例えばチェコ人は律義に靴を脱いで足を掛ける人が大半だ。
同じ地域共同体ではあるが、国によってそれぞれ文化や風習が異なるのが、ヨーロッパの面白いところでもある。