「窓が汚くて駅名が読めない」 日本では考えられない、そんな列車がある国とは?

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海外の鉄道車両は日本ほどきれいに扱われているとは言えないものが多いが、例外もある。ヨーロッパの中で、鉄道車両がきれいな国とそうではない国とを紹介する。

国内差大きいドイツ

冬場はすぐ汚れるため、あまり清掃をしない国もある。ドイツ北部のローカル列車は元の色が分からないほど汚れている(画像:橋爪智之)
冬場はすぐ汚れるため、あまり清掃をしない国もある。ドイツ北部のローカル列車は元の色が分からないほど汚れている(画像:橋爪智之)

 ドイツは、メンテナンスはおおむねきちんとしているようだが、乗客の扱い方があまり良くないという印象がある。トイレを見ても、清掃そのものはきちんとされているものの、乗客の使い方が悪く、汚れていることがある。

 それと、これは不思議なのだが、地域によってメンテナンスの状態に、大きな差がある。例えば北部ハンブルク周辺の近郊列車は、車体が汚れ過ぎていて、車体を少し拭ってみると、元の色とのギャップに驚かされる。また、窓が汚れ過ぎていて、雨でも降ろうものなら、窓外の駅名を読むことすら困難なケースもある。

 南部の列車では、ここまでひどく汚れている車両は見かけないので、地域性なのか、あるいはメンテナンスを担当する車両基地のやり方の問題なのかもしれない。

 ポーランドやチェコといった中欧の国々は、以前は車両そのものが古く、汚れが目立つ車両も多かったが、近年は新車を入れたり、車両を更新したりしたおかげで、かなりきれいになったと感じる。中欧各国は、どの国も潤沢に資金があるわけではないので、旧型車や他国から譲渡された中古車が中心だが、いずれもよくメンテナンスをされており、特に優等列車については不快な印象があまりない。

 一方、ローカル線では、旧型客車が古い状態のまま使われていることもあって、車体は汚れや傷みが目立ち、トイレもタンクのない垂れ流し式のままで、衛生的にも問題がある。これらは寿命まで使い切り、そのまま廃車にするため、特に手入れもされず、そのまま残されているのだろう。

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