認知度9割以上! それでも「電動キックボード」が普及しない、身もフタもない事情
- キーワード :
- 電動キックボード, Luup, パーソナルモビリティ
利用経験者はわずか1割
東京や大阪、横浜などの大都市で人気の電動キックボード。コンパクトかつ低コスト、小回りが利くため、狭い散策するにはもってこいのモビリティだが、実際に私生活で利用している人はどのくらいいるのだろうか。
弁護士ドットコムが2022年7月に1380人を対象に実施した「電動キックボードに関する実態・意識調査」によると、「電動キックボードを知っているか」という質問に92%の人が「はい」と回答した。しかし、「電動キックボードに乗ったことがありますか」という質問に対して「はい」と答えた人はわずか11.1%で、認知度と利用者の数に大きなギャップが生じている。
なぜ電動キックボードはこれほど苦戦しているのか。同調査の結果から考えられる原因を考察する。
「使ってみたい」と思われない理由とは
調査の結果を詳しくみてみると、「電動キックボードを利用したいと思うか」という質問に足して「はい」と回答したのはわずか
「34.3%」
だった。半数近くの人がキックボードの利用に抵抗を感じていることが分かっている。
ではなぜ、利用したくないと考えるのか。調査結果では「危ないから(71.4%)」という回答が最も多く、次いで「そのほかの乗り物で事足りるから(63.8%)」「使い方やルールが分からないから(20.7%)」などの回答が続いた。
特に課題となるのは、バスや電車といった交通機関が充実している都心の場合、
「あえて電動キックボードを利用する必要がない」
ことだろう。コスト面についても、電動キックボードを購入してまでバスなどの費用を抑えたいと考える人がいるかは疑問に感じるところだ。
仮に電動キックボードを利用することで購入のコストを削減したとしても、目的地に電動キックボード用の駐輪場がなかった場合も考えられる。高価な乗り物であるがゆえ、チェーンロックをかけられない路上などでは、安心して駐車することも難しいといえる。