茨城・福井県が最先端? 自動運転「乗合サービス」などの革命が地方から始まるワケ

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新しい乗り物は、昔は大都市から先に導入され、地方に広まっていくのが一般的だった。しかし、近年のモビリティサービスの中には、地方から普及が進んでいるものがある。

福井や茨城で実践

境町の自動運転による定時定路線バス(画像:森口将之)
境町の自動運転による定時定路線バス(画像:森口将之)

 新しい乗り物は、昔は大都市から先に導入され、地方に広まっていくのが一般的だった。 日本で初めて鉄道が走ったのは、東京都の新橋と神奈川県の横浜の間だったし、自動車が初めて上陸したのも横浜で、走行は東京の道路だったという記録が残っている。

 しかしながら近年のモビリティサービスの中には、地方から普及が進んでいるものがいくつかある。例えば自動運転。自動運転はレベル0からレベル5までに分けられ、現在の市販乗用車では、2021年3月にホンダが「レジェンド」に追加したグレードのレベル3が最高になっている。

 ちなみにレベル3とは、通常はシステムが運転するものの、システムから交代を依頼された際には人間が代わる必要があるもので、条件付き自動運転と呼ばれており、居眠りや飲酒はできない。

 しかし日本にはこれ以外にも、自動運転レベル3の実例がある。レジェンドのレベル3が発売された2021年3月、福井県永平寺町で、ゴルフ場などで使っている電動カートを用いたグリーンスローモビリティ、つまり最高速度20km/h未満の乗合交通が、一部の区間で同じレベル3を実現したのだ。

 また茨城県境町では2020年11月から、日本の自治体としては初めて、自動運転による定時定路線バスが走り始めた。使っているのはフランス製の、ハンドルやペダルを持たない自動運転専用車両で、現状では人間が運転主体となるレベル2であるが、2年間事故を起こさず走り続けている。

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