茨城・福井県が最先端? 自動運転「乗合サービス」などの革命が地方から始まるワケ
新しい乗り物は、昔は大都市から先に導入され、地方に広まっていくのが一般的だった。しかし、近年のモビリティサービスの中には、地方から普及が進んでいるものがある。
地方の事情が後押し

この後、限定領域でシステムがすべての運転を行う、高度自動運転のレベル4に進んでいくわけだが、それは自家用車よりも移動サービスや物流サービスのほうが、実現は早いと言われている。限定された地域の決められたルートを走るので、制御がしやすいからだ。実際に日本では2023年4月、道路交通法が改正され、特定条件下でドライバーのいないレベル4の無人自動運転移動サービスが解禁される予定となっている。
どちらも人口数万人という小さな町で運行しているのは、交通量が少ないことが大きい。地方の道路は朝夕こそ通勤で渋滞することもあるが、昼間は、幹線道路以外では人や車の姿はあまり目にしない。つまり接触事故の可能性が小さいし、利用者も少ないので、万が一故障した際も影響は限定的だ。
さらに地方の公共交通は、人口減少に新型コロナウイルスの影響が輪をかける形で、存続の危機にひんしているところが多い。鉄道は最近ニュースで取り上げられることが多いが、バスも例外ではない。
バスの運行経費の半分以上は、運転士などの人件費である。この部分をコストダウンできれば継続の道が開ける。そのためにも自動運転に注目しているのだ。