茨城・福井県が最先端? 自動運転「乗合サービス」などの革命が地方から始まるワケ

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新しい乗り物は、昔は大都市から先に導入され、地方に広まっていくのが一般的だった。しかし、近年のモビリティサービスの中には、地方から普及が進んでいるものがある。

MaaSも地方が盛ん

 MaaSもまた、地方のほうが導入への動きは盛んだ。こちらも導入の理由のひとつに経営危機がある。MaaSによって利便性を高め、利用を促すという期待を寄せている自治体や事業者が多い。

 多くの地方はこれまで、マイカー依存度が高かった。しかし2019年の東京・池袋での高齢ドライバーによる暴走事故以降、運転免許の返納者が増えている。こうした人たちの受け皿としても、公共交通は重要だ。

 また観光地はコロナ禍で、外国人観光客が皆無に近くなるなど大きな打撃を受けているが、デジタルデバイスを使えば沿線以外の多くの人に情報を提供し、アクセスしてもらうという道も開けるだろう。

 加えて地方は交通事業者が少ない。これもMaaSではメリットになる。公共交通乗り放題のフリーパスを用意するには、移動データの共有をはじめ、地域の交通事業者の協力が不可欠だ。鉄道だけでも10以上の事業者が存在する東京23区より、2~3にとどまる地域のほうが、当然ながらタッグを組みやすい。

 もちろん、すべてのモビリティサービスが地方向きというわけではない。ある程度利用者がいないと成立しないシェアリングのようなサービスもある。しかし昔のように、あらゆるシステムやサービスが大都市から始まるという流れは変わりつつある。地方でまちづくりやモビリティに関わる皆さんには、この点を頭に入れていただきたい。

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