東京メトロの技術はなぜ常に最先端なのか? 地下鉄開業95周年を機に考える
2022年12月30日、開業95周年となる東京メトロの歴史を振り返る。
一段と技術力が向上
2010年に丸ノ内線02系リニューアル車が登場し、電動車の主電動機として永久磁石同期電動機を採用し、軽量化、消費電力やメンテナンスの負担が一段と低減された。16000系以降の新型車両から標準搭載としている。
2011年に登場した1000系は、前照灯にLEDを初めて採用した(注:LEDの灯具は昭和の時代から、急行灯や尾灯で使われている)。従来のシールドビームに比べ、ロービームでも光がより遠くに届くメリットがある。また、車内の室内灯もすべてLED照明に。より明るく、白く光る。いずれも消費電力が低減され、全国的に、しかも急速に普及した。
また、カーブ通過時において車輪と線路の摩擦音を低減すべく、操舵(そうだ)台車を採用した。カーブ通過時、車輪の輪軸が自動的にかじを切る仕組みである。東京メトロではカーブが多い丸ノ内線用2000系、日比谷線用13000系、東武鉄道でも日比谷線に直通する70000系、70090型にも採用した。