大みそかの「終夜運行」 実は、コロナ前からやめる路線が増えていた!
大みそかの深夜に寺社へ赴き、日付が変わって元日を迎えたと同時に「初詣」を行う――。そんな正月の風物詩が、少しずつ変わり始めている。
コロナ禍3度目の正月 鉄道各社の対応は
初詣客を見込んで全国各地で実施される、大みそかから元旦にかけての鉄道の終夜運転。
新型コロナウイルス禍の中で迎える3度目の正月にあたり、各鉄道会社の対策は分かれている。2022年12月現在、「第8波」と呼ばれる感染拡大が続いているためだ。
コロナ禍以降、終夜運転は紆余(うよ)曲折を余儀なくされてきた。
首都圏では、2020年の大みそかは自治体からの要請もあり全社が実施を見送った。2021年は一部鉄道会社では実施するなど、対応が分かれた。
今回2022年の大みそかは、前年実施した東京メトロも見送りを決定し、JR東日本でも路線を絞って実施することを決めている。
私鉄では京王電鉄、京成電鉄が実施を決めたほかは、見送りとなっている。行動制限が発令されないにもかかわらず、終夜運転の縮小傾向が進んでいるわけだが、その背景にあるのは初詣客の減少だ。
もともと終夜運転は、初詣や、大みそかの深夜24時前に寺社に参拝して新年を迎える弐年参り(二年参り)のために、深夜から早朝にかけて寺社仏閣を訪れる人の利便性を考えて設定されたものである。
都市部では、さらにカウントダウンイベントなどの開催も加わり、コロナ禍以前は運転するに値する需要があった。
ただ、実際には、その需要は限られた路線でのものに過ぎなかった。