大みそかの「終夜運行」 実は、コロナ前からやめる路線が増えていた!

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大みそかの深夜に寺社へ赴き、日付が変わって元日を迎えたと同時に「初詣」を行う――。そんな正月の風物詩が、少しずつ変わり始めている。

初詣の分散化を呼び掛ける寺社の事情

深夜未明の、神社への初詣のイメージ(画像:写真AC)
深夜未明の、神社への初詣のイメージ(画像:写真AC)

 前述の通り、そもそも初詣は、鉄道の発達とともに年中行事として広まったものである。それから派生する形で、先述の弐年参りも普及していった。

 この初詣のスタイルも普及して長かったが、コロナ禍によって大きく変わり始めている。

 ある種「正しい形」と認識されていた弐年参りや早朝の参拝が、必ずしもそうでなくても良いと広く認知されつつあるからだ。

 コロナ禍の始まった2020年以降、多くの寺社では、分散化を強く呼び掛けるようになった。分散化の方法はさまざまだ。

 広く呼び掛けているのは、三が日かそれ以降に参拝することを求めるもの。それ以外にも、破魔矢の配布を12月中に開始して、年が変わる前に参拝することを呼び掛ける寺社もある。

 あるいは、感染を避けるために、初詣は遙拝(ようはい、自宅などから寺社の方角を拝むこと)を推奨するところもあった。

 筆者は、コロナ禍の初詣について神社本庁に話を聞いたことがあるが、あくまで決まったスタイルはないというのが彼らの見解であった。

 この時「おさい銭はどうすべき」かとも尋ねたが、現金書留で送る、あるいは参拝する機会があった際に、前回の分もまとめて入れればよいとの話もしてくれた。

 要は「元日に初詣に来なかった」とご利益を減らすような神さまはいないというわけだ。

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