東京都は箱物行政を今すぐ止め、「船で通勤」のインフラ整備に注力すべきだ

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自動車輸送が普及する以前、貨物・旅客双方における輸送手段の花形は、水運であった。東京都は今、東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーとして、舟運による人の移動を再現しようとしている。

ベイエリアの交通インフラ拡充、予定路線は?

「東京ベイeSGまちづくり戦略2022」に掲げられた、交通インフラの一覧(画像:東京都)
「東京ベイeSGまちづくり戦略2022」に掲げられた、交通インフラの一覧(画像:東京都)

 もちろん東京都も、このような状況を良しとはしていない。「東京ベイeSGまちづくり戦略2022」では、ベイエリアの魅力創出を図る5つの戦略の一つとして、「まちの魅力と活動の基盤となる移動手段の充実」を掲げている。

 主要施策の一つとして挙げる「鉄道ネットワークの充実強化」では、以下の5路線を新設・延伸を掲げている。

1.羽田空港アクセス線の新設
2.東京8号線の延伸(有楽町線)
3.都心部・品川地下鉄の新設
4.都心部・臨海地域地下鉄の新設
5.新空港線の新設(蒲蒲線)

 これだけの数、新たな鉄道を敷設するのは、もはや夢物語のレベルではないだろうか。例えば2番目の有楽町線の延伸(豊洲~住吉間)の建設費用は、わずか4.8kmで約2690億円とされる。しかも、完成するのは2030年代半ばである。また、そもそもの話として、有楽町線延伸がベイエリアの交通インフラ充実につながるのかと言えば、場所が違う。

 また4番目の都心部・臨海地域地下鉄については、11月25日、小池百合子東京都知事が定例会見において整備する方針を表明した。こちらは有楽町線の延伸とは異なり、ベイエリアの交通インフラ充実に直結する路線ではあるが、完成は2040年まで、約6.1kmで4200億~5100億円とさらに巨大な建設費が見込まれている。

 鉄道を新設するには巨額の費用を必要とする。しかも、完成までは10年以上が必要となる。比較的整備が容易と思われるバスやBRTについても、整備が進んでいないのは既に述べた通りだ。

 だとすれば、すでに存在する水路を利用する舟運(しゅううん)を交通インフラとして整備するほうが、よほど現実的ではないだろうか。

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