EV普及は「CO2削減」に繋がらない? 火力発電に頼る日本の特殊事情と、注目すべき新エネの行方とは

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世界的なモビリティ電動化の潮流がある一方、日本には諸外国とは異なるエネルギー事情を抱えている。

欧州、ロシアガスからの脱却を模索

水素エネルギーのイメージ(画像:写真AC)
水素エネルギーのイメージ(画像:写真AC)

 欧州を中心として、世界的に自動車の電動化を推進する動きが加速している。

 その過程で浮き彫りとなった電力問題は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響から、悪化の一途をたどっている。こうした流れを受けて、水素エネルギーが再び注目されているようだ。

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 新ネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)欧州事務局により発表された、欧州でのエネルギー政策。

 興味深いポイントのひとつは「ガスの多様化」だ。Fit for 55 packageという項目に記されている。

1. 多様な国からのLNGとパイプラインによるガス輸入により、1年以内に60bcm(10億立方メートル)のロシアガスを転換
2. バイオメタンを2倍にして、18bcmのロシアガスを転換
3. 再生可能水素を加速して、20Mtの水素で50bcmのロシアガスを転換(従来目標の2030年10Mtの2倍)。

 このように、水素に関しては大きな変化があったようだ。

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