ローカル線衰退の日本とは大違い 知られざる鉄道大国「スペイン」の実力、高速鉄道の総延長距離はなんと世界第2位だった!

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スペインは知られざる鉄道大国だ。高速鉄道網の国内総延長距離は約3662kmで、中国に次ぐ世界第2位だ。また、車両の技術開発にも傾注しており、すでにフリーゲージトレインも実用化している。

ウクライナ侵攻の影響

マドリードのアトーチャ駅に停車中のAVE(= Alta Velocidad Espanola)はスペイン版の新幹線ともいる高速列車(画像:小川裕夫)
マドリードのアトーチャ駅に停車中のAVE(= Alta Velocidad Espanola)はスペイン版の新幹線ともいる高速列車(画像:小川裕夫)

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、全世界的に原油高が続いている。日本も例外ではなく、原油高に起因する物価高が家計を直撃。岸田文雄首相は対策を急いでいる。

 世界各国は原油高の対策として、できるだけ原油を使わないような政策を打ち出している。それらの政策で目立つのが、鉄道などのエネルギー効率のいい公共交通機関の使用を推奨することものだ。自動車利用から鉄道を中心とする公共交通機関へと移動手段がシフトすれば、原油の消費量は抑制される。

 ドイツは、2022年6月から8月までの期間限定ながらも月額9ユーロ(約1240円)で公共交通機関のローカル線が乗り放題になるチケットを発売。スペインでも9月から年末までの期間、スペイン国鉄(RENFE)が運行する列車の大半を無料化する。AVEと呼ばれるスペイン版の新幹線や片道きっぷなどは無料化の対象外のため、同政策は明らかに通勤・通学といった定期利用者を対象にしている。

 日本のように頻繁に列車が運行され、利用者が多い国は世界を見渡してもない。それは日本の鉄道技術というハード面が突出しているだけではなく、鉄道員による定時運行を確保するソフト面が寄与している部分も大きい。これによって、利用者から絶大な信頼を得ることになり、安定的な需要が確保されている。

 日本が鉄道大国であることは間違いないが、諸外国にも鉄道大国とおぼしき国はたくさんある。鉄道大国の定義にもよるが、例えば中国は2007年に初めて高速鉄道の運行を開始。以降、路線網の拡大を続けて2020年末で総路線長は約3万7900kmに達した。中国は2035年までに高速鉄道網を7万kmと、現在の倍近くまで拡大する方針を打ち出している。

 高速鉄道とは日本でいえば新幹線に該当するが、国際鉄道連合は

・時速250km以上の設計速度を有する専用の高速新線
・時速200km以上の在来線

と定義づけている。