航空会社の生き残りをかけたサービス? もはや普通じゃない「特別機内食」をご存じか
有料の機内食サービスも登場

特別機内食とは別に、「もっと食を楽しみたい」というリクエストに応えたサービスもある。
2019年から始まった、ANAの「有料の機内食」だ。食材や味付けにこだわったメニューで、料理は陶器に美しくプレーティングされているため、華やかな気分で楽しめる。
こちらは日本発プレミアムエコノミー・エコノミークラスの乗客が対象。出発24時間前までの予約で、1食あたり2500円で申し込める。メインを洋食または和食から選ぶことができ、メニューは約3か月ごとに変更される。ビジネスクラスに乗るほどでもないが、
「機内では、少し特別なものを食べたい」
というビジネスマンや航空ファンから支持を得ている。
機内食が不要な人向けのサービスも

機内食はハイカロリーのものが多く、地上で過ごすときと比べて食事回数も多い。また、目的地の時刻に合わせて提供されるため、深夜発にもかかわらず、ボリュームたっぷりのメニューといったことも少なくない。機内ではほとんどの時間を座って過ごすため、食事と睡眠のコンボで、目的地に到着したころには胃もたれしていた……なんて経験をした人も少なくないかもしれない。
これを避けるためには食事をスキップすればよいのだが、せっかく飛行機に乗るなら機内食は食べておきたい、と考える人の方が多いだろう。そんなときは、軽めのフルーツミールやむくみ対策に低塩食ミールをチョイスするのがおすすめだ。
また、JALでは「ミールスキップオプション」という、機内食が不要な人向けのサービスを2020年より開始している。中短距離路線限定で、出発25時間前までの事前申請で機内食不要を選択することができる。
その返礼として、歯ブラシやアイマスクなどが入ったJALオリジナルのアメニティーキットをもらえる。食事はラウンジなどで事前に済ませて、機内でゆっくり休みたい人にとってはよいオプションだろう。
あまり知られていないが、機内食は廃棄量もかなり多い。その日に搭載するメニューの割合や数は、乗客数、国籍、過去のリポートなどから調整している。しかし好みの偏りなどもあり、残念ながら乗客全員に好みの食事を行きわたらせることはできない。苦手な食材や味付けの料理を全て食べられる人はあまり多くない。
こうしたスキップサービスや有料・特別機内食のリクエストは、乗客にとっては指定したものを確実に食べられることでフライトの満足度が高まり、航空会社にとっては事前に必要数を把握できることでフードロスを防ぐことができるという、まさにWin-Winの関係だ。