エアライン5社「共同運航」は本当に朗報か? 細る地域交通、今こそ再編を議論すべきだ

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ANAとJAL、九州の地域航空会社3社が発表した共同運航(コードシェア)。そこには、限られた資源をどう使うべきなのかという現代社会の普遍的な問題が含まれている。

2022年8月、5社が発表

旅客機のイメージ(画像:写真AC)
旅客機のイメージ(画像:写真AC)

「尖ったことをするのは若い人」というイメージがある。

 新しいことを始める、あるいはこれまでのやり方を変えるとき、私たちはやらない理由を探す。確かに年齢や経済状況などの条件も無関係ではない。しかし、やらない理由は別のところにあるのかもしれない。

 実は「そこまで困っていない」のだ。

人とモノの問題を改善する共同運航

 2022年8月、天草エアラインなど九州の地域航空会社3社と全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が共同運航を始めることがニュースになった。

 共同運航とは2社以上の航空会社が1社の航空機で旅客の運送を行うことで、コードシェアとも呼ばれる。国内で競合する大手航空会社が系列を超えたコードシェアをするのは初めてであり、世界でもめずらしい取り組みであることから話題となっている。

 なぜコードシェアなのか。まずは航空会社側のメリットを挙げてみよう。

 大きなメリットは、人やモノを融通し合うことができるので資源を有効活用でき、コストカットにつながることだろう。

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