「貸し切りバス」終わらないコロナ禍で瀕死状態! 路線バスはかつてご法度「カルテル」頼みの現実とは
コロナ禍の影響で、鉄道だけでなく、バス会社の苦境も続いている。特に「高速バス」「貸し切りバス」業界は崖っぷちの状態だ。打開策はあるのか。
バス会社の相次ぐ倒産

しかし、コロナ禍で訪日外国人が姿を消したことで状況は一転した。2020年9月までに事業の休止・廃止に至った事業者は112社に達した。バスの中古価格も暴落し、1台7~800万円でも買い手がつかないのが現状だ。
政府の補助金を受給したり、社員をリストラしたりして別事業に乗り出すことで延命をはかる事業者もいたが、長引くコロナ禍でいよいよ限界を迎えている。
東京商工リサーチによると、2022年度上半期の貸し切りバス業の倒産件数は9件で、上半期では1993(平成5)年以降の最多となった。このうち、8件は「新型コロナ関連倒産」だ。9件はすべて資本金1億円以下の中小・零細企業で、訪日外国人相手に利益をあげていた。このことからも、新規参入の事業者が選別されているのがわかる。
政府はこれまで、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」などの支援や雇用調整助成金の特例措置延長などで対応を続けてきたが、もはやこれらの措置も限界に達している。
今後も訪日外国人の回帰がなければ、貸し切りバスの休廃業はさらに進みそうだ。アフターコロナを見越すなら、観光立国政策が再開すると踏んで、こうした事業者の継続を支えなければならない。
しかし、現状は他業種の民間企業と同程度の支援となっている。ありとあらゆる事業者は2019年まで、訪日外国人増加による観光立国化が進む前提で企業戦略を立てていたが、それが崩れるとは誰も予測しなかった。重要な移動手段である貸し切りバス事業者が次々と倒産している以上、観光立国政策も、もう一度ゼロスタートせざるを得ない。