NEXCOが描く「次世代高速道路」が実に興味深い! 「快適さ」から「エンタメ」まで網羅したその中身とは?
「物流専用のスマートIC検討を」

●東京海洋大学 兵藤哲朗教授
「ダブル連結トラックや隊列走行など、物流車両の長大化・自動化は順調に進むと想定している。インフラ側での合流支援設備などの課題解決が重要だ。
高速道路と物流の関係は、圏央道が良い例のように非常に相性がいい。物流施設専用のスマートICは、検討すべき事項だ。
CASEの『C(コネクテッド)』が高速道路の中で実現した場合、スマホアプリとの連携や、ETCの移行(トールゲート撤廃)など新しいサービスを考えるべき」
「次世代高速道路」実現への論点整理
次世代高速道路をどのようなものにしていくか、という論点を整理し、有識者・学識経験者の意見議論をとりまとめて抽出されたものが以下の13点として挙げられている。
1. ドライバーの高齢化などに伴う、逆走事故、他責作業中事故増加への対応
2. 専用レーンの整備、速度制限の引き上げによる速達性・定時制の確保、経済生産性の向上
3. 自動運転車両の普及に合わせた道路空間・構造の導入
4. 自然災害に強く、速やかな支援を可能とする道路
5. MaaSの普及に伴う交通モード間のシームレス移動の需要増、モビリティハブ整備の必要性
6. EV・FCVの普及に合わせたエネルギー供給施設の充実と、自然保護・継承、効率的な経済活動の両立
7. インバウンド対応の充実、休憩施設の高度化、多様性への配慮
8. 物流の多様化・多頻度かの進展に伴う公共性の高い中間拠点(積み替え・ドライバー交代など)休憩設備の整備
9. 完全自動運転システムの普及により、運転から解放されたドライバーへのプラス価値の提供
10. 地方公共団体との連携、沿線地域の価値向上、一体的な成長の実現
11. 新技術(IoT・AIなど)の活用による渋滞対策・交通マネジメント、老朽化対策の高度化、道路のリアルタイム全線監視
12. 高速大容量通信環境(5G)の構築、コネクテッドカーの普及、道路・車両間通信によるリアルタイムなサービス・情報提供
13. コロナウイルス感染拡大防止に向け、一定の社会的距離を保つ傾向、東京の一極集中の是正、アフターコロナでのDX化推進
これらは高速道路の高度化と一言で表すことができるが、「高速道路の基本的な機能向上」と「付加価値をどれだけ高めるか」というふたつの軸があり、それぞれがリンクしている。