MaaS Tech Japan、MaaSプラットホーム「SeeMaaS」をリリース データ利活用で都市・地域交通の解決目指す

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MaaS Tech Japanは7月1日、MaaSプラットホーム「SeeMaaS(シーマース)」のスターターエディションの提供を開始する。都市・地域交通の解決が期待される。

渋滞緩和の解決に寄与

MaaS Tech Japanの企業ロゴ(画像:MaaS Tech Japan)
MaaS Tech Japanの企業ロゴ(画像:MaaS Tech Japan)

 交通データ解析を手掛けるMaaS Tech Japan (東京都千代田区) は2022年7月1日、MaaSプラットホーム「SeeMaaS(シーマース)」の提供を開始する。第1弾は、公共交通の利用状況や利用者の移動実態を把握するためのODデータ(出発地と到着地の組み合わせごとの利用者数を表すデータ)の取得・可視化に特化したスターターエディションとなる。

 SeeMaaSは、自治体や事業者が持つあらゆる移動データを連携・分析し、データに基づく精緻な現状把握により、地域の移動実態や施策の効果を可視化する。

 それらのデータを利活用することで、都市の渋滞緩和や持続可能な地域交通の形成など都市・地域交通をはじめとする社会課題の解決や、他業種との連携による新価値の創出を支援する。

製品の特長

公共交通の利用実績とODデータの可視化イメージ(画像:MaaS Tech Japan)
公共交通の利用実績とODデータの可視化イメージ(画像:MaaS Tech Japan)

 MaaS Tech Japanのコア技術であるMaaSデータ統合基盤「TraISARE(トレイザー)」により、自治体・事業者が保有する多様な種類・形式のモビリティデータをシームレスに統合する。データの取得には、交通系ICカードなどの既存のODデータやすでに自治体や事業者が導入しているMaaSアプリとの連携が可能だ。

 また、TraISAREによって取得・統合した移動データを、ユースケースや分析目的に応じて集計・分析・可視化する。これらのデータに人口統計や施設情報、消費データなどを掛け合わせることで、観光、まちづくり、環境などさまざまな分野での利活用ができる。

 また、実現できることとして

 地域内の交通の現状課題をデータに基づき精緻に把握することができる。これにより、

・地域の特性に合った多様な交通サービス・施策を適切に組み合わせたMaaSの展開
・観光客の周遊促進、エリアマネジメント、環境負荷を低減する移動行動の促進等の取り組み

など、データに裏打ちされた施策の策定・実行につなげることが可能になる。

 さらに、施策のモニタリングと効果検証をデータに基づき行うことができる。これにより、施策の継続的な改善が可能になる。

 7月1日から提供開始となるスターターエディションは、交通分野のデジタル化やデータ活用にこれから取り組もうとしている自治体・事業者向けに、SeeMaaSを活用し、公共交通の利用状況や利用者の移動実態を把握するためのODデータの取得・可視化に特化したプランとなっている。

 ODデータがある場合は、交通系ICカード等から定型フォーマットでデータを取り込むことが可能だ。無い場合は、LINEアプリから使える簡易的なデジタルチケットアプリを提供する。チケット利用時の位置情報を取得することで利用者のODを把握することができる。

 また、利用者数・利用回数などの利用実績を数値やグラフにより可視化できる。運行情報と合わせることで各停留所の利用状況やODを地図上で可視化できる。これにより、特定のバス路線や停留所の利用者が多い・少ないなどを視覚的に把握することができ、運行本数・路線の適正化や、利用促進施策などの定量的な評価が可能になる。

 提供価格は月額50万円から。最低利用期間は3か月。

 2022年秋ごろには、MaaS関連の幅広いデータの取得・可視化に対応し、より詳細な現状把握・分析をマルチモーダルに行うことができるベーシックエディションを提供開始予定だ。

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