杉並区で初の女性区長 争点だった区内「道路拡幅計画」の行方どうなる? 大切なのは利便性か、街のプライドか
現在、杉並区は西荻窪駅と青梅街道を結ぶ「北銀座通り」の拡幅を進めている。これらの整備で、果たして「杉並らしさ」は失われないのか。
どうなる杉並の未来

仮に道路が拡幅されることになったら、多くの商店・住宅が立ち退きを強いられることになる。
立ち退きを免れても、道路拡幅によって交通量が増えるわけだから、自動車の往来による騒音・振動といった問題が出てくるだろう。道路拡幅によって生じる新しい負の部分に対して、行政はどう向き合うのか?
杉並区が抱えている道路関連の課題は、西荻窪駅周辺だけに限らない。阿佐ケ谷駅周辺でも駅前再整備が検討されている。街を再整備することで、駅前に大規模商業施設や大規模集合住宅などを誘致・開設するのは近年の都市開発トレンドになっている。
阿佐ケ谷駅駅前の再整備でも、そうした目的が盛り込まれている。大規模商業施設や大規模集合住宅が完成すれば、新住民の流入や人口増が期待できるだろう。それは、地域振興や地域経済の活性化にもつながる。
一方、再開発によってこれまで杉並人気を支えてきた雑貨屋・カフェ・レコード店・古着屋が似合わない雰囲気の街になってしまう可能性も十分にある。これらの店が消失すれば、杉並区は街のアイデンティティーを失い、逆ににぎわいを失う。それでは、再整備の意味がまったくない。
新しい区長の誕生で、杉並区の道路関連整備はどうなるのか? その今後に注目が集まる。