安全保障の最大課題「日中関係」にまた暗雲 ウクライナ侵攻による「交通と経済」への影響は

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ロシアによるウクライナ侵攻から3か月以上。対ロ制裁の影響が、日中関係にも少なからぬ影響を及ぼしている。

中国による過去の制裁事例

ウクライナ侵攻のイメージ(画像:写真AC)
ウクライナ侵攻のイメージ(画像:写真AC)

 そして、これまでの米中経済摩擦もある中、日本は対中国でも米国との結束を固めているが、今後はこういった大国間を取り巻く緊張が、日中経済関係にまで影響を及ぼすことが懸念される。

 前述のクアッドの共同声明では、中国の台頭を念頭にあらゆる威圧的行動に強く反対することが確認された。

 しかしその後、北京では中国外務省が日本公使を呼び出し、「日本の誤った言行に強い不満と深刻な懸念を表明した」と厳重に抗議した。

 日本経済にとって、中国が重要な国であることに変わりはなく、米中関係が悪化する中、中国としても日中経済関係の悪化は避けたいのが本音だろう。

 しかし、それは絶対的なものではなく、その時の国内情勢や対外関係なども影響し、場合によっては、中国側から先制的な制裁措置が日本に対して発動される可能性も否定できない。

 実際、過去に関係が悪化した際、中国が日本に先制的制裁を取ったことはある。

 2010(平成22)年9月には、沖縄県・尖閣諸島で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突して中国人船長が逮捕された。その際、中国は対抗措置として日本向けのレアアースの輸出停止・制限を実施した。

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