安全保障の最大課題「日中関係」にまた暗雲 ウクライナ侵攻による「交通と経済」への影響は
ロシアによるウクライナ侵攻から3か月以上。対ロ制裁の影響が、日中関係にも少なからぬ影響を及ぼしている。
ロシアでの工場停止、輸出ストップ

そして、ロシアによるウクライナ侵攻により、欧米と足並みをそろえる形で日本は先制的にロシアに対する経済制裁を発動、強化し、ロシアはそれに対して対抗的に日本へ制裁を実施している。
これによってロシアに進出する日本企業の間では、撤退や規模縮小といった「脱ロシア」の動きが加速し、今後の明るい見通しは見えていない。
モビリティ業界では、日本と欧州各地を結ぶ航空会社はロシア上空を回避し、南回りなどの迂回路(うかいろ)を余儀なくされ、時間やコストが増大している。
また、ロシアにある日本の自動車企業は、現地工場などでの操業停止を選ばざるを得なくなるなど、大きな影響が出た。
日本の自動車販売関連企業では、日本政府が高級車のロシア輸出をストップさせたことで経営上大きなマイナスになっている。ロシアによるウクライナ侵攻で、航空や車などモビリティ業界へ大きな影響が出ている。
そして、今後影響が日中経済に及ぶ可能性がある。
日本や欧米とロシアの関係が冷え込む中、中国は静観的な姿勢を崩さず、ロシアとの経済関係はむしろ結び付きが強くなっている。