自動運転は「歩行者の飛び出し」を回避できるのか? 実現に欠かせない車歩道の分離とは
これからの自動運転を実現するために必要な技術とは何か。「人とくるまのテクノロジー展2022」での様子をリポートする。
自動車だけでは完成しない自動運転

今では自動車に、多くのセンサー、カメラが搭載されるようになった。
振り返ればスバルのアイサイト(1999年当時はADAと呼ばれていた)が研究され出した1990年代の車両は、やっとカーナビが付いた、ABSの標準装備化が進んだ、エアバックが標準装備される車が増えた――という状況だった。
30年が経過した今、自動車の部品が電子制御されるにつれ、自動追従やレーンアシストなど、コンピュータが運転に介入する機会が走行中の多くを占めるようになってきた。
そんな現状の自動車でも、自動車単体での自動運転化は厳しい。
なぜなら、現在の街には多くの死角が存在するからだ。
例えば、人間の運転者は見通しの悪い交差点に差し掛かってもカーブミラーを見ることで、交差点の死角情報と認識ができる。しかしカメラやレーダーでは、死角の情報として認識できない。
また、例えば風になびく木をカメラとレーダーが人間と誤認し、飛び出しの危険があると判断すれば、衝突軽減ブレーキが作動することもある。しかし反応しない程度に感度を下げると、本当に人間が飛び出したときに動作しない恐れがあるという具合だ。
したがって、街中をシステム化し、センサーやカメラで監視し、IoTの一部として自動車と通信して情報を共有するITS(高度道路交通システム)の存在が条件となっている。