観光魅力度ランキング世界1位で再注目 国内鉄道サービスの「正確性」は鉄道発祥の国イギリスもかつて賞賛していた!
とりわけ優れている新幹線

正確性を誇る日本の鉄道の中でも、とりわけ優れているのが新幹線だ。
JR東海の『統合報告書2021』によれば、2020年度の東海道新幹線の平均遅延時分は0.5分(30秒)となっている。1日あたり342本の列車を運行して、たったこれだけしか遅れないのだ。
2020年度には3月のダイヤ改正で、のぞみが従来の1時間あたり片道最大10本から12本に増発されている。高速度で走る列車の本数を増加させて、なおも遅延がほとんどないのだから、間違いなく優秀だ。
イギリス政府が2018年に発行した、ロンドンと北部の主要都市を結ぶ高速鉄道(HS2。時速360kmでの営業運転を計画しロンドン~バーミンガム間で建設中)建設に関する報告書には、
「日本の新幹線と同等の、ワールドクラスの信頼性(時間の正確さ)を達成する」
と書かれている。イギリスは鉄道発祥の国。そんな国から評価されているのだ。
初めから遅延が少ないわけではなかった

この驚異的な遅延の少なさは、開業以来継続しているわけではない。
国鉄時代、首都圏の在来線では輸送量が逼迫(ひっぱく)したことに加えて、労使関係の悪化から遅延が状態化していた。
ただでさえ遅延が状態化していたことに加えて、順法ストによるダイヤの混乱が原因となり、1970年代には乗客が暴徒となった上尾事件(1973年)のような負の歴史もあった。当時は新幹線も例外ではなく、1976年度に東海道新幹線の平均遅延時分は
「7.1分」
というワーストを記録している。前述のとおり、2020年度が0.5分であることを考えると、いかにひどかったかが分かるだろう。実に14倍の遅延だ。
国鉄分割民営化後、JR東海は東海道新幹線という、全収入の8割以上を占めるドル箱を得た。しかしこれは収入手段の偏在化でもあった。そのため、信頼性の確保が最重要課題になった。
メディアで「東海道新幹線は正確」と報じられるようになったのは、270km運転ができる300系以上の車両への更新が完了した2003(平成15)年以降である。