なぜハイブリッド車が欧州新車販売で「34%」を占める事態になったのか? 多様な技術評価への移行が選択肢の広がりを生み出した理由

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「EVか、それ以外か」という不毛な二元論を超え、世界の環境戦略が「適材適所の融合」へと舵を切っている。2025年の欧州市場では、補助金なしのHVがシェア34%で初の動力源別首位を獲得。全工程で環境負荷を測るLCA基準の浸透や、EVの6倍超とされるHVの費用効率を背景に、産業界に技術の最適結合が始まっている。

重要鉱物の偏在と調達網リスク

製錬工程のイメージ(画像:Pexels)
製錬工程のイメージ(画像:Pexels)

 EVの普及を進めるうえで、原材料の供給に関わる不安への対応は、産業全体の安定性を高める取り組みにつながっている。電池に欠かせないリチウムやコバルトなどの重要鉱物は、コンゴやチリ、中国など一部の地域に偏って存在している。そのため、地域紛争や国際関係の変化によって供給網全体が影響を受けやすい。

 こうした状況を受け、米国のインフレ抑制法(IRA)や欧州の重要原材料法(CRMA)など、自国内や域内での調達を重視する政策が進められている。これにともない、自動車メーカー各社は、これまでの世界規模の調達網に加え、地域ごとの調達体制を整えるための投資を進めている。供給先を分散し、調達経路を複数確保する動きも広がっている。

 原材料価格の変動も大きい。リチウム価格は2023年に前年の最高値と比べて80%超下落した一方、その後は再び上昇する動きも見られる。こうした価格変動はEVの製造コストを不安定にする要因となるが、同時に資源の有効活用へ目を向ける動きも広げている。使用済み電池から重要鉱物を回収する技術の開発や、役目を終えた電池を定置用蓄電池として活用する事業など、資源を循環させる取り組みが広がりつつある。

 また、重要鉱物の精製工程では中国が大きな割合を占めている。米中対立が続くなか、供給網の安定確保が課題となっており、産業界では原材料リスクを抑えるため、代替材料の活用や新たな電池技術の開発が進められている。

 一方、HVは既存の部品供給網を活用しやすく、大量生産を前提とした調達体制がすでに整っている。EVほど多くの重要鉱物を必要としないため、製造コストの安定性にも強みがある。電動化を進めるうえでは、環境負荷の低減だけでなく、原材料の確保や供給網の安定性も含めて高めていくことが、産業の持続性を支える重要な課題となっている。

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