スズキはなぜ「国内2位」に躍り出たのか? 「400万台構想」で動き出した、日本車“インド時代”の新序列
スズキがホンダを抜き、国内メーカー2位に躍進する。2027年3月期に世界販売355.4万台を見込む同社の急成長を支えるのは、販売の6割、生産の7割を担う巨大市場インドだ。SUVシフトと「400万台体制」への巨額投資は、吉と出るか。新興国を起点に産業の重心が移動する、構造転換の最前線を追う。
収益と生産の柱となるインド事業

2026年3月期の決算は、売上高6.3兆円、純利益4393億円。5期続けての増収となり、勢いの良さが数字に表れている。なかでも稼ぎ頭となっているのがマルチスズキだ。売上高は約3兆円、純利益は2525億円にのぼる。利益率を見ても8.4%と、全体平均の7%を超える水準を守っている。
地域別の販売に目を向けると、その舞台がどこにあるのかがよくわかる。インドが56%を占める一方で、日本は22%。インドでの販売台数は186万台、輸出は45万台を数え、どちらもこれまでにない高水準となった。
つくる側、つまり生産の面でもインドへの傾斜は強まっている。全体のおよそ7割にあたる約235万台を現地で引き受けている計算だ。いまの生産能力は年に240万台ほどだが、年度内には290万台へと上積みをはかる。さらに2030年度には
「400万台」
まで広げる構えだ。稼ぎの源をインドへ移したことで、現地の動きが会社の浮沈をそのまま左右する形となっている。